乾式無洗米装置

無洗米の消費拡大を通して、海や川への影響を最小限に

Goal 14 : 海の豊かさを守ろう


空・陸・海を循環している水

地球上の水は、雲や雨、川、海、そして蛇口から出る水道水など、姿を変えて空・陸・海を循環しています。そして、私たちは様々な用途で水を使用し、汚しています。汚れた水は浄化槽や下水処理場で処理され、再び川へ戻されています。

しかし浄化槽や下水処理場を活用した循環から外れ、川や海の水が汚染されてしまう場合があります。その原因の一つに陸地からの農業及び工業排水や未処理の下水、油、栄養塩類、堆積物など流出があります。それらに含まれた有機物が海水を富栄養化させ、水中に生存している微細な生物(特に植物プランクトン)が異常に増殖し赤潮やアオコが発生すると、水の色が著しく変わる(水の色は原因となるプランクトンによって異なり、赤褐色、茶褐色などの色を呈します)だけでなく、水中の酸素が欠乏したり、毒素を持ったプランクトンが発生するなど、海洋生物に大きな被害をもたらします。

出典:環境省「生活排水読本」、東京都環境局「平成30年度赤潮発生状況

お米のとぎ汁も大切な海や川を汚す要因に

川や海の汚染原因のうち、私たちの生活に密接に関わっているのが生活排水です。

生活排水とは台所、風呂、トイレ、洗濯など、日常生活で発生する排水のことを言います。1日に使う水の量は1人あたり250にのぼり、台所からの排水は約100(約40%)と最も高くなっています。中でも、なにげなく排水口へ流している米のとぎ汁には通常の下水処理では処理しきれない窒素やリンが含まれており、米のとぎ汁500mを魚が住める水質にするには、300のバスタブ4杯分のきれいな水で薄めなければならないなど、大切な海や川を汚す原因の1つとなっています。

※出典:環境省「生活排水読本

無洗米が米のとぎ汁を減らす

なぜ米のとぎ汁は白く濁るのでしょうか?

玄米から精米した白米の表面には、通常の精米装置では取り切れない肌ヌカ(精白米の表面に残っている粘着性の高いヌカ)が残ってしまいます。この肌ヌカを取り除くために精米した白米を炊く前はとぎ洗いが必要となり、水に溶けだした肌ヌカによってとぎ汁は白く濁ります。

一方、しっかりととぎ洗いをする必要のない「無洗米」というものがあります。無洗米とは、今までとぎ洗いしていた肌ヌカが機械で除去処理された米のことです。私たちは、無洗米の消費が拡大すれば米のとぎ汁を減らすことができ、海洋汚染の防止や下水処理にかかるエネルギー削減に貢献できると考えています。また無洗米には、他にも ①調理時間が短縮できる ②水の使用量や排水を低減できる ③米を水でとぐことによって失われる栄養価(水溶性ビタミンやミネラルなど)を逃がさない等のメリットがあります。

無洗米は消費者にとってのメリットだけでなく、炊飯業者でも人手不足解消や上下水道代の削減などができることから生産量は増加傾向にありますが、それでも無洗米の消費割合は米の消費全体の10%程度しかありません。精米工場の工場長からお話を伺うと「生活排水による環境汚染を減らし、環境に優しい無洗米の販売を増やしたいが、一般的な無洗米機はイニシャルコストもランニングコストも高額なため、どうしても無洗米の販売価格が高くなってしまう。」と、機械のコストが無洗米拡大の妨げになっていることが分かりました。

出典:農林水産省「無洗米について

乾式無洗米装置の開発を通して無洗米をより多くの家庭へ

玄米を無洗米へ加工する方法は様々あります。
① 乾式:ブラシや研米(金網)で肌糠を取る方法
② 湿式:水で肌ヌカを洗い落とし、乾燥させる方法
③ NTWP:米に水を加え、熱した粒状のタピオカを付着させ肌ヌカを取る方法
④ BG:ヌカの吸着性を利用し、ヌカで肌ヌカを取る方法

私たちは機械のコストで悩む精米工場の声を聞き、乾式で無洗米を作る精米機を開発しました。乾式無洗米装置は水などの媒体を一切使用しないで白米の肌ヌカを除去するため、精米工場での加工時にとぎ汁が発生せず、水を使わないので米の栄養価も高く、工場全体の節水効果もあります。また、機械本体の価格や無洗米加工時のコストも安価にすることで精米工場にとっても導入しやすくなり、徐々に導入数も増えてきました。

さらに、ご家庭でも手軽に無洗米を食べていただけるよう、皆さんがよく目にするコイン精米機にも無洗米に加工する「無洗米モード」を搭載しています。

環境にやさしい無洗米の消費拡大を目指して

私たちはこれからも「作る人」と「食べる人」に寄り添った製品開発を続け、乾式無洗米装置やコイン精米機のさらなる開発・販売を通し、無洗米の普及・消費拡大に貢献していきます。そして排出される米のとぎ汁を減らすことで、河川の水質保護、そして海洋汚染の防止へ取り組んでいきます。



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